整体サロンの問診票と施術記録、預かった情報を守る手順
整体サロンで伺うお体の状態や施術記録は、預かり方と保管の仕方を先に決めておきたい情報です。問診票の同意欄のつくり方、受付での伝え方、紙と端末それぞれの保管ルール、万一のときの流れまで、開業前後に整えられる手順をまとめました。
整体サロンでは、初回の来店時にお体の状態やこれまでの経過を問診票に書いていただき、施術の記録として残していくことが多いと思います。書いてもらう内容は、お客さまにとって人に見られたくない情報を含みます。だからこそ、「何を伺うのか」「何に使うのか」「どこにしまうのか」を、開店の準備をしている段階で決めておきたいところです。ここでは、問診票のつくり方から保管のルールまで、ひとつずつ手順にして整理します。
何を書いてもらうのかを、先に一覧にする
個人情報保護委員会は、データマッピング・ツールキットを「事業者のみなさまが 保有する様々なデータを適切に管理するために、個人データの取扱状況を可視化するためのツール」として紹介しています。同じ考え方を、自分のサロンの規模でやってみます。
やることは単純で、問診票と施術記録に載っている項目を、紙に一行ずつ書き出すだけです。お名前、連絡先、お体の状態、これまでの経過、来店の履歴、次回のご予約……と並べていくと、「これは本当に伺う必要があるだろうか」という項目が出てきます。使い道の説明ができない項目は、この段階で外しておきます。項目が決まってはじめて、利用目的の文言も、保管の場所も決められます。
伺う項目を書き出す
お名前・連絡先・お体の状態・経過・来店履歴など
使い道を一項目ずつ確かめる
説明できない項目は問診票から外す
利用目的を問診票に書く
施術の実施、ご予約やご連絡など、使う場面を明記する
同意欄を置く
署名欄かチェックボックスを問診票の最下部に配置する
記入中の見え方を確かめる
他のお客さまの視線に入らない位置で書いていただく
紙の保管先を決める
施錠できる場所と、鍵を管理する担当を決める
端末のログインを設定する
IDとパスワードで開ける人を限定する
OSとセキュリティソフトを新しい状態にする
更新の確認日を決めておく
見られる人を決めて共有する
誰が記録を開いてよいかをスタッフと合わせる
問診票の下部に、利用目的と同意欄をまとめる
問診票は、上から順に記入していただく紙です。そこで、いちばん下に「この用紙に書いていただいた内容の使い道」と「同意の署名欄」を並べて置きます。書き終えた流れのまま目に入るので、別紙を配ったり、口頭だけで済ませたりしなくて済みます。署名欄の代わりにチェックボックスを置く形でも、書面として残ります。
用紙を手渡すときは、受付での一言もそろえておきます。「お体の状態は大切な個人情報ですので、いちばん下の欄にご署名をお願いしています」といった言い方を、スタッフ全員で同じ表現にしておくと、伝え漏れが起きにくくなります。言い方を決めたら、問診票の見本と一緒に受付に置いておきます。
ホームページやLPの予約フォームで、来店前にお体の状態を伺う形にしている場合も、考え方は同じです。フォームの送信ボタンの手前に利用目的の記載と同意のチェックを置き、紙の問診票と文言をそろえます。二つの入口で書いてあることが違うと、あとで説明に困ります。
紙と端末で、しまい方を分けて決める
紙の問診票とカードは、施錠できるキャビネットや引き出しにしまい、鍵を管理する担当を決めます。受付台の上に重ねたまま閉店する、待合の棚に背表紙が見える形で並べる、といった状態をなくすのが目的です。閉店前に「紙は鍵の中」と確認する習慣にしておくと、迷いません。
端末で記録を管理する場合は、IDとパスワードでログインする設定にして、開ける人を限定します。共有の端末を一台だけ置くのか、個人の端末からも見られるようにするのかも、あらかじめ決めておきます。あわせて、OSとセキュリティソフトを新しい状態に保つための確認日を、あらかじめ決めておきます。
準備のはじめ
問診票と施術記録で伺う項目を書き出す
問診票をつくる頃
利用目的と同意欄を入れた見本の版をつくる
店内が整った頃
紙の保管場所と鍵の担当、端末のログインを決める
開業直前
受付での伝え方をそろえ、見本と一緒に受付に置く
開業の前日まで
ホームページやLPのフォームと問診票の文言を合わせる
開業後は定期的に
保管の状態と、記録を見られる人を見直す
万一のときの流れを、紙一枚にしておく
個人情報保護委員会は、漏えい等報告について「報告対象となる個人データや保有個人情報の漏えい等の事態が発生した場合、個人情報取扱事業者や行政機関等は個人情報保護委員会への報告及び本人通知の義務があります」と説明しています。起きてから調べ始めると手が止まるので、報告と本人へのご連絡という二つの流れがあることを、あらかじめ紙一枚にまとめておきます。
書いておく内容は、気づいた人が誰に伝えるか、どこを見て手順を確認するか、お客さまへのご連絡は誰が行うか、の三つで足ります。確認先については、個人情報保護委員会のサイトに、法令やそのガイドライン、Q&A、各種手続き(オプトアウトの届け出、漏洩時の対応、認定個人情報保護団体)が掲載されています。同じサイトでは、個人情報保護法の基本をマンガや動画で紹介するページや、漏えい等報告と安全管理措置についての動画、クイズも公開されています。開店準備の合間に一度目を通し、スタッフと共有しておくとよいでしょう。
問診票づくりも保管のルールも、決めてしまえば毎日やることは短い確認だけになります。項目を書き出す、同意欄を置く、しまう場所と鍵を決める、見られる人を決める。この四つから始めてみてください。