施術機器をリースで入れる前に、書面で確かめる手順
開業前に施術機器をリースで入れるとき、書面のどこを読み、何を記録に残すか。リースの種類や中途解約の定めの確かめ方、公的な情報源と相談先の当たり方まで、整体サロンのオーナー向けに開業準備の手順として整理しました。
開業の準備が進むと、施術機器をリースで入れるという話が出てきます。物件やメニューの検討と同時並行で話が進みがちで、営業担当者の説明を聞いたその日に申し込みまで進んでしまうこともあります。
ここでは、申し込みの前に自分の目で書面のどこを読むか、何を記録に残すかを、開業準備の手順として整理します。
お店のために入れる機器は、自分で書面を読む
消費者庁の解説では、消費者と事業者の間には、持っている情報の質・量や交渉力に格差がある、と説明されています。その状況を踏まえて消費者の利益を守るための法律が施行されており、不当な勧誘があった場合の取消しや、不当な条項の無効等が定められています。
一方で、お店のために機器を入れる場面で、こうした消費者向けの制度が自分にどう及ぶのかを、その場の説明だけで判断しないでください。まずは手元の書面を読み、分からない語が出てきたら次に挙げる公的な情報源にあたり、それでも判断がつかなければ相談窓口に当たる、という順番で進めます。
申し込みの前に、書面で確かめること
リースにはいくつかの種類があり、途中でやめるときの扱いも書面の定め方によって変わります。口頭で説明された内容と書面に書かれている内容が同じかどうかは、自分で照らし合わせるしかありません。
リースの種類
書面のどこに種類が書かれているかを探し、その語の意味を確かめる
中途解約の定め
途中でやめる場合の条件がどう書かれているかを読む
期間と期間満了後の扱い
いつからいつまでか、期間が終わったあとどうなるかを読む
機器を入れ替えたいとき
途中で機種や台数を変えたい場合の扱いを読む
口頭の説明との照合
説明された内容が書面に書かれているかを一つずつ確かめる
分からない語の扱い
その場で分かったことにせず、意味を調べてから返事をする
相談先の控え
判断に迷ったときに当たる公的な窓口と専門家を先に控えておく
読んでも意味が取れない語が残るときは、その場で申し込みまで進めないでください。書面を持ち帰って読む時間をもらう、というのも一つの進め方です。
やり取りを記録に残す
消費者庁の特定商取引法ガイドのQ&Aでは、電磁的記録による通知の例として、電子メールのほか、USBメモリ等の記録媒体や、事業者が自社のウェブサイトに設ける専用フォームが挙げられており、FAXを用いた通知も可能とされています。また、通知にあたっては、まず書面を確認し、通知先や具体的な通知方法が記載されている場合はそれを参照すること、対象を特定するために必要な情報と、通知を発した日を記載することが案内されています。
この「先に書面を確認する」「対象が特定できる情報と日付を残す」という進め方は、開業準備のやり取りでもそのまま手順にできます。誰と、いつ、どの機器について、どんな説明を受けたのか。メールでのやり取りに残す、その日のうちにメモを書く、書面は受け取った版をそのまま保管する、といった形で残しておきます。
用語と条項は、公的な情報源にあたる
公益社団法人リース事業協会のサイトには、リースの種類、リースのメリット、リース会計基準の概要、中小企業のリース会計税制といった項目が並んでいます。小口リース取引に係る自主規制規則の実施状況も掲載されています。用語の意味や条項の考え方を確かめたいときは、営業担当者の説明だけでなく、こうした一次情報にもあたってください。
それでも判断に迷うとき、あるいは説明と書面の食い違いが気になるときは、その場で結論を出さず、公的な相談窓口や専門家に相談してから決めます。相談先は、開業準備を始めた時点で調べて控えておくと、必要になったときにすぐ当たれます。
開業までの流れに組み込む
機器の検討は、施術メニューの構成が固まってから始めると、必要な機器を絞り込みやすくなります。逆算して、次のような流れで進めます。
機器を選び始めたころ
施術メニューの構成を先に決め、必要な機器を書き出す
申し込みの前
書面をもらい、種類・期間・中途解約の定めを読む
搬入の前後
設置場所と電源、動作の確認手順を決めておく
開業の前
決まった内容を、ホームページ・LPに載せる内容へ反映させる
ホームページ・LPに載せる施術メニューの内容は、実際に入れた機器と、そこで提供すると決めた施術に合わせて書きます。機器の話が固まらないうちに掲載内容を先に固めると、あとで書き直す手間が出てきます。書面を読む時間と、公的な情報源にあたる時間を、開業準備のスケジュールに最初から入れておいてください。