整体院の施術用ベッド・内装の減価償却と耐用年数の確認手順
整体院の開業で導入した施術用ベッドや内装の確定申告に向けて、減価償却の考え方、取得価額に含める範囲、耐用年数の確認手順を国税庁タックスアンサーの記載に沿って整理します。賃借物件の内装や中古資産の扱いにも触れます。
整体院の開業前後に購入した施術用ベッドや、店舗の内装にかかった支出は、確定申告でどう扱うかを早めに整理しておきたい項目です。基本の考え方は国税庁のタックスアンサーに示されています。この記事では、その記載に沿って、申告前に確認しておきたい順番をまとめます。
減価償却の基本を国税庁の案内で確認する
国税庁の「減価償却のあらまし」では、時の経過等によって価値が減っていく建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産を減価償却資産と呼び、土地や骨とう品などのように時の経過により価値が減少しない資産は減価償却資産ではない、と説明されています。
そして、減価償却資産の取得に要した金額は、取得した時に全額が必要経費になるのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費としていくものとされています。この使用可能期間に当たるものとして、法定耐用年数が財務省令の別表に定められています。減価償却とは、取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続です。
開業で購入した施術用ベッドや待合の備品がどの区分に当たるかは、自分で決めつけず、まず別表の区分と照らし合わせて確認するところから始めます。判断に迷うものは、購入時の書類を手元に置いたうえで、税務署の相談窓口に問い合わせます。
取得価額にどこまで含めるかを先に整理する
「定額法と定率法による減価償却」のページでは、購入した減価償却資産の取得価額は、資産の購入代金(引取運賃、運送保険料、購入手数料等を含む)と、業務の用に供するために要した支出との合計額になると示されています。本体の領収書だけでなく、搬入や設置に関する書類もまとめて保管しておきます。
また「少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」のページには、取得価額は通常ひとまとまりの単位として取引される、その単位ごとに判定するという考え方が示されています。応接セットのようにテーブルと椅子がひと組で取引されるものはひと組で、カーテンのように部屋の中で組み合わされて機能するものは部屋ごとの合計で判定する例が載っています。施術スペースの備品をそろえるときは、何をひとまとまりの単位として買ったのかが分かるように、明細を残しておきます。
賃借物件の内装(造作)は建物と分けて考える
賃借している物件に施した内装のような、他人の建物に対する造作については、「他人の建物に対する造作の耐用年数」のページで、合理的に耐用年数を見積もることとされています。建物附属設備に造作した場合には、その建物附属設備の耐用年数により償却する、とも示されています。
さらに、造作した建物について賃借期間の定めがあり、更新ができないもので、かつ、有益費の請求または買取請求をすることができないものについては、その賃借期間を耐用年数として償却することができる、という取扱いも載っています。同一の建物についてされた造作は、すべてをまとめてひとつの資産として償却するため、耐用年数は造作の種類別に見積もるのではなく、全部をひとつの資産として総合して見積もることになります。
工事の内訳書は、建物に対する造作と建物附属設備に対する造作が分かる形で保管し、物件の手続で取り交わした書類から賃借期間や更新の条件をいつでも確認できるようにしておきます。
中古の備品と特例の注記も申告前に読み返す
開業時に中古で購入した資産については、「中古資産の耐用年数」のページで、法定耐用年数ではなく、事業の用に供した時以後の使用可能期間として見積もられる年数によることができ、その見積りが困難な場合には簡便法により算定した年数によることができるとされています。中古で買ったベッドや什器は、新品のものと分けてリストにしておきます。
また「減価償却のあらまし」の注記には、取得価額の区分に応じて、複数の資産をまとめて業務の用に供した年以後の各年分で必要経費に算入していく取扱いや、一定の要件を満たす青色申告者を対象にした特例が案内されています。使えるかどうかは要件次第なので、対象や申告時の手続は「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」のページで確認し、自分の状況に当てはまるかを税務署や税理士に相談してから申告書を準備します。
取得価額の内訳をそろえる
購入代金のほか引取運賃・運送保険料・購入手数料などの書類を保管する
判定の単位を確認する
ひとまとまりで取引される単位ごとに取得価額を見る
内装の内訳書を分けて保管する
建物への造作と建物附属設備への造作が分かる形にする
賃借期間と更新の条件を控える
物件の手続で取り交わした書類から確認する
中古の資産をリストにする
使用可能期間の見積りや簡便法の対象になるか確認する
特例の注記を読み返す
青色申告者向けの案内と申告時の手続を確認する
申告の準備と同じ時期に、開業のお知らせや施術メニューの案内をホームページ・LPに載せる準備も進めておきましょう。備品や内装の記録を整理する流れで、店の紹介に使う情報もあわせてまとめておきます。