ネイルの研修生・モデルを受け入れる前に整理する「労働者性」の見方
ネイルサロンで研修生やネイルモデルを受け入れる前に、確認しておきたい「労働者性」の考え方を整理しました。厚生労働省や各労働局のどのページを見るか、募集の告知や書面で何を明確にしておくかを、開業前後のオーナー向けに手順とチェックリストでまとめています。
ネイルサロンを始めた前後には、「研修生を受け入れたい」「練習のためにネイルモデルを募りたい」という場面が出てきます。このとき迷いやすいのが、来てもらう人をどう扱えばよいのか、という点です。呼び方は自分で決められますが、実際に店で起きていることは呼び方とは別に残ります。ここでは、思い込みで決めてしまわないように、実態の書き出し方、一次情報の確認先の控え方、募集の告知や書面で明確にしておく項目を手順にまとめます。
「研修」「モデル」という呼び方と、実態を分けて書き出す
最初にやることは、判断ではなく記録です。来てもらう人について、次の項目を一つずつ書き出します。あとから誰かに聞かれたときに、そのまま読み上げられる状態にしておくのが目的です。
- 来店の日時を、店側が指定しているのか、本人が選べるのか
- 施術を頼んだときに、本人が断ったり途中でやめたりできるのか
- 店の営業時間内に、店のお客さまへの施術に入ることがあるのか
- 進め方を店の手順書どおりに指示しているのか、本人の判断に任せているのか
- 何かを受け取ってもらう取り決めがあるのか、あるなら何に対するものなのか
書き出してみると、「研修」と呼んでいるのに店の営業そのものに入っている、「モデル」と呼んでいるのに日時をこちらが決めている、といったずれが目に見えます。ずれが見つかった項目は、そのままにせず、募集の出し方や当日の進め方のどちらを変えるのかを先に決めます。
一次情報の確認先を、募集を出す前に控えておく
自己流の解釈で進めず、公的なページを開くところから始めます。
厚生労働省の労働基準のページには、施策情報として「労働基準法における「労働者」とは」「適切な労務管理のポイント」といった項目が並んでいます。判断の言葉づかいを合わせるために、まずここを開きます。
地域ごとのページも見ておきます。東京労働局のページでは東京都最低賃金の改正について案内されています。愛知労働局のページには「働くときのルールについて」「労働基準法の概要」「愛知県の最低賃金」「職場でのトラブルの相談窓口」といった項目が並びます。神奈川労働局のページにはリーフレット「ちゃんとチェック!最低賃金!」と神奈川県最低賃金の案内が置かれています。福岡労働局のページには「学生アルバイトの労働条件の確保について」「動画で学ぼう!労働条件」といった項目があります。自分の店の地域についても、同じように地域名を手がかりに探して、開いたページを手元に控えておきます。
募集の告知と書面で、言葉をそろえる
募集の告知は、SNSの投稿だけで終わらせず、ホームページ・LPにも同じ内容を置いて、あとから同じ文面を見返せるようにします。告知と当日の説明と書面で言葉が食い違わないように、次の項目を確認します。
募集の見出し
「研修」なのか「モデル」なのかを、本文と同じ言葉にそろえる
来店の日時
誰がどう決めるのかを書く
断る自由
施術を受けない・途中でやめられるかを書く
当日の流れ
受付から終了までを箇条書きにする
担当する範囲
店のお客さまへの施術に入ることがあるかどうかを書く
写真の扱い
撮影の有無と、掲載する場所を書く
やり取りの記録
合意した内容を書面にして、双方で持つ
誓約書や同意書を用意する場合も、雛形の文言をそのまま使うのではなく、上の項目に自分の店の実際の進め方を書き入れます。書面と当日の様子が違っていれば、残るのは当日の様子のほうです。
受け入れまでの段取り
一件ごとにばらばらに決めると、募集のたびに言うことが変わります。次の順番を店の決まりごとにしておきます。
募集を出す前
呼び方と実態のずれを書き出し、変える側を決める
募集を出す前
厚生労働省と地域の労働局のページを開き、確認先を控える
募集の告知時
日時の決め方と断る自由を、告知の文面に明記する
来店の前日まで
当日の流れと写真の扱いを、本人に渡して確認してもらう
来店当日
合意した内容の書面を、双方で一件ずつ保管する
終わったあと
実際の流れと書面のずれを読み返し、次の募集の文面に反映する
判断に迷ったまま募集を出すより、書き出した実態と控えた確認先を持って、公的な相談先に自分の店の進め方を説明するほうが早く片づきます。まずは、いま来てもらっている人について、この記事の項目を紙に書き出すところから始めてください。