ネイルサロンのキャッシュレス決済、カード情報の扱いを先に決める手順
個人ネイルサロンでキャッシュレス決済を始めるとき、店内でカード番号がどこを通るかを先に決めておくための進め方をまとめました。サービスの案内で見る項目、日々の運用ルール、公的機関の案内ページという確認先を、開業前の逆算スケジュールとチェックリストの形で整理します。
個人でネイルサロンを開くとき、タブレットやスマートフォンと組み合わせる決済端末は、内装や施術メニューと並んで早めに決めておきたいものの一つです。ただ、どの端末を置くかを選ぶ前に、もう一つ決めておきたいことがあります。それは、来店者のクレジットカードの番号が、店の中でどこを通り、どこに残るのかという話です。
ここを決めないまま端末だけ先に置くと、電話での予約対応や当日の会計の場面で、その都度その場の判断で動くことになります。ひとりで回すサロンほど、判断の材料は先に紙に書いておくほうが動きやすくなります。この記事では、開業前に何を決め、日々どう運用し、どこの案内を確認先として押さえておくかを、順番に整理します。
まず、カード番号が通る場面を洗い出す
最初にやることは、端末選びではなく書き出しです。来店者のカード番号が店の側に見える、あるいは伝えられる可能性がある場面を、すべて挙げます。
具体的には、次の三つの時点で考えると抜けが出にくくなります。一つめは予約を受け付ける時点です。電話やメッセージで先に番号を伝えられそうな場面がないかを見ます。二つめは来店当日、施術後の会計の時点です。ここは決済端末が担う場面ですが、端末が動かなかったときにどうするかまで含めて考えます。三つめは後日です。当日のキャンセルが起きたときの取り扱いや、次回分の受け付けをどうするかがここに入ります。
洗い出したら、それぞれの場面について「カード番号を店の機器や紙に書き写すことはしない」と決め、代わりに何をするかを一行ずつ書いておきます。たとえば予約の時点では番号を聞かず来店時に端末で処理する、端末が動かないときは別の決済手段に切り替える、といった形です。決めた内容はスタッフや手伝ってもらう人とも共有します。
サービスの案内で確認する項目を決めておく
決済サービスを選ぶときは、比較の軸をあらかじめ決めておくと、案内ページを読む時間が短くなります。カード情報の扱いについては、提供元の案内ページや利用規約、仕様の説明にどう書かれているかを見ます。「非保持化」「PCI DSS」といった言葉が記載されているかを探し、見当たらなければ提供元の問い合わせ窓口に直接たずねます。自分で判断せず、提供元の説明として文面を残しておくのが確実です。
あわせて、端末そのものの使い方も決めます。決済に使うタブレットやスマートフォンを業務専用にするか、私物と兼ねるか。OSやアプリの更新を誰がいつ行うか。店舗で使う通信環境を来店者向けの回線と分けるか。どれも開業前なら決めるだけで済みます。
サービスの案内に「非保持化」「PCI DSS」の記載があるか
見当たらなければ提供元の問い合わせ窓口にたずねる
カード番号が店の機器や紙に残る場面がないか
予約時・当日・後日の三つの時点で洗い出す
決済に使う端末を業務専用にできるか
私物との兼用を避ける方針にするか決める
端末とアプリの更新を誰がいつ行うか
担当者と頻度を決めて記録に残す
通信環境を来店者向けの回線と分けられるか
分ける場合の設定手順を控えておく
提供元と公的機関の案内ページを控えているか
困ったときに開く場所をひとまとめにしておく
開業までの流れに組み込む
決済まわりの準備は、内装や備品の準備と同じ時間軸に並べておくと後回しになりにくくなります。開業日から逆算して、次のような形で置いてみてください。
開業2か月前
受け付ける決済手段の候補を挙げ、提供元の案内ページと利用規約を読む
開業1か月前
端末とアプリの申し込み手続きを進め、カード情報の扱いに関する記載を控えておく
開業2週間前
カード番号を書き写さない運用ルールを文章にし、関わる人と共有する
開業1週間前
実機でテスト決済を行い、レシートと管理画面の表示を目で確かめる
開業後 毎月
端末とアプリの更新状況を確認し、確認した日付を記録に残す
サロンのホームページ・LPをこれから用意するなら、そこに載せる案内文もこの流れの中で決めます。利用できる決済手段を書いておく、予約の受け付け方法を書いておく、といった内容です。店内の運用ルールと、外に出す案内文の中身は、先に揃えておきます。
確認先を一か所にまとめておく
自分だけで判断せずに済むよう、公的な案内の場所を控えておきます。一般社団法人日本クレジット協会のサイトには「改正割賦販売法について」というページがあり、そこでは改正割賦販売法についてQ&A形式で改正のポイントを説明する案内が置かれています。同じサイトには「加盟店(クレジットカードを取り扱うお店)の皆様へ」という区分や、「安全・安心なカード決済のための対策」「セキュリティ対策動画」「IC対応マーク」といった項目も並んでいます。
日本クレジットカード協会のサイトでは、「安全」「安心」なクレジットカード社会の発展に向けた市場環境の整備、クレジットカード取引に関する消費者利便性の向上、クレジットカード関連法制に関する取り組みと消費者保護対応という三つの柱が掲げられています。お知らせ欄には、国内クレジットカード会社とフィッシング対策協議会などが共同でフィッシングサイトの閉鎖に取り組んだ旨の掲載もあります。
これらのページのアドレスを、決済サービスの問い合わせ窓口と同じメモにまとめておきます。開業してから調べ直すより、準備期間のうちに開いておくほうが落ち着いて読めます。読んだ日と、そのとき自分の店に当てはめて決めたことを一行だけ書き添えておくと、あとで見返すときの手がかりになります。
決済端末を選ぶ作業は、機器を比べる話に見えて、実際には店の運用を決める作業でもあります。番号がどこを通るかを先に書き出し、確認項目を決め、開業までの流れに組み込む。この三つを順番に片付けておけば、開業後に迷う場面を一つずつ減らしていけます。