ネイルサロンの消毒用品と火の元、開業前に決める確認手順
ネイルサロンで使う消毒用の備品や溶剤について、置き場所と扱い方を開業前に決めるための手順をまとめました。持ち物の一覧づくり、所轄の消防署への問い合わせ、衛生管理の学びを予定に組み込む段取り、決めたことをホームページ・LPに残すところまで扱います。
サロンの準備を進めていると、施術の流れや内装の話が先に動き、消毒に使う備品や溶剤の置き場所は後回しになりがちです。ただ、置き場所と扱い方は、棚の位置や換気の取り方と同じ図面の上で決まるものです。開店してから並べ替えるのではなく、図面を引いている段階で紙に書き出しておきます。
手元に持つものを、置き場所ごとに書き出す
はじめに、店で持つことになる消毒用の備品と溶剤を、商品名の並びではなく「どこに置くか」の順で書き出します。施術台のそば、バックヤードの棚、詰め替え用の大きな容器、使い終わったコットンやペーパーの一時置き場。同じ品でも置く場所が分かれるなら、その分だけ行を分けて書きます。開店後に扱う品を足したときも、同じ表に追記していきます。
持つ品を書き出す
消毒用の備品、溶剤、詰め替え用の大きな容器まで漏らさず並べる
置き場所ごとに行を分ける
施術台のそば、バックヤード、詰め替え作業をする場所を別々に書く
手持ちの量を書く
どの大きさの容器を、いくつ持つのかを記録する
火の元との位置関係を書く
給湯まわり、暖房器具、分電盤との距離と向きをメモする
換気の経路を書く
窓、換気扇、ドアのどれで空気が入れ替わるかを図に落とす
ふたの扱いを決める
使ったあとに閉めるところまでを、作業の手順に含める
詰め替えの場所を決める
大きな容器から小分けにする作業を、どこで誰が行うか決める
表の更新の担当を決める
品が増えたときに誰が書き足すのかを先に決めておく
火の元まわりの決まりは、公式の情報と所轄の消防署で確かめる
東京消防庁のサイトには、事業所の方へ向けた「関係法令」のページが用意されています。ここには消防法、東京都火災予防条例、火災予防条例施行規則が並び、あわせて予防事務審査・検査基準、危険物関係施設の審査基準、危険物関係施設の運用基準、防火管理指導指針、予防特例基準ハンドブックといった資料が掲載されています。同じページには、問合せ先として広報課が示されています。
自分の店で何をどう扱うことになるかは、こうした一覧を眺めるだけでは決まりません。書き出した表と内装の図面を持って、店舗の所在地を受け持つ消防署に問い合わせます。棚の位置、換気の取り方、詰め替えを行う場所まで図の上で指しながら聞けるように、表と図面はセットで用意しておきます。聞いた内容はその場でメモに残し、表の欄外に日付とあわせて書き足します。
衛生管理の学びを、開業前の予定に組み込む
NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)は、JNAが制定した「ネイルサロンにおける衛生管理自主基準」を普及し、ネイルサロンの現場で正しく活用してもらうために「ネイルサロン衛生管理士」資格制度を設けています。講習会はオンラインでも受講でき、開催場所はJNA認定校です。受講資格については、ネイルサロンでの実務経験は問わないとされています。
講習は理論講習と確認テストで構成され、受講者には講習当日にテキストが配布されます。確認テストに合格した方に資格が付与され、認定証と資格バッジが授与されます。資格には有効期限が定められ、資格継続の手続きも用意されています。開催の予定は開催スケジュールで公開されているため、開業前の予定表に受講日を先に置いておきます。
物件が決まった段階
施術の流れを書き出し、消毒用の備品と溶剤の置き場所の候補を決める
図面ができた段階
棚・換気・火の元の位置関係を図に落とし、表と図面を持って所轄の消防署に問い合わせる
内装が動き出す段階
詰め替えの作業場所とふたの扱いを、店舗の作業手順として文章にする
開店に向けた準備期間
衛生管理の講習の開催スケジュールを調べ、受講の日を予定表に入れる
開店の直前
表と手順をスタッフで読み合わせ、置き場所が図面どおりか歩いて確かめる
決めたことを、ホームページ・LPに書き残す
店内の手順書に書いたことのうち、来店する方に関わる部分は、ホームページ・LPのどちらを使う場合でも「サロンについて」にあたる場所へ置いておきます。書くのは、器具や手指の消毒をどう行っているか、施術のあいだに何を交換しているかといった、来店前に知りたくなる範囲で足ります。取り組みを言葉で並べるだけにして、数字や比較の表現は入れません。
「ネイルサロン衛生管理士」の資格を取得したなら、その名称をスタッフのプロフィール欄に書き添えます。資格継続の手続きを行った際は、ページに載せた情報もそのタイミングで書き換えます。品を増やしたときは、表と店内の手順書とページを同じ日にまとめて書き足す、という決め方にしておきます。
最後に、決める順番そのものを予定表に書いておきます。持ち物の表、図面を持っての所轄の消防署への問い合わせ、講習の受講日、そしてページへの掲載。この並びを置いてから、内装の打ち合わせに入ってください。