ネイルのビフォーアフター写真を安心して掲載するための表記ルール
ネイルサロンがホームページやSNSにビフォーアフター写真を載せるとき、景品表示法の優良誤認表示に気をつけながら安心して掲載するための表記ルールと手順を、撮影条件や併記情報のチェックリスト付きで整理します。
ネイルサロンのホームページやSNSで、施術前後の写真(ビフォーアフター)を使って仕上がりを見せたいと考える方は多いでしょう。同時に、見せ方によっては「実際より良く見せている」と受け取られないか、気になるところです。この記事では、景品表示法の考え方をふまえて、ビフォーアフター写真を安心して掲載するための表記ルールを、手順に落として整理します。ホームページ・LPでも、InstagramなどのSNSでも、基本になる考え方は共通です。
景品表示法の「優良誤認表示」を知る
景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)は、消費者庁が情報を公開している法律です。このうち優良誤認表示(5条1号)は、商品・サービスの品質や内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示を指し、不当表示として禁止されています。
消費者庁は例として、カシミヤ混用率が80%程度のセーターに「カシミヤ100%」と表示する場合を挙げています。これをネイルの施術に置き換えると、実際の仕上がりや爪の変化を、写真や言葉で実際以上に見せないことが出発点になります。まずはこの一線を意識してから、写真の撮り方や説明の書き方を組み立てていきます。
ビフォーアフター写真を載せる前に決めること
写真を撮ってから迷わないように、掲載する前に条件を先に決めておきます。前後の写真で撮り方がそろっていないと、施術以外の要因(明るさや角度)が変化に見えてしまうためです。次のチェックリストを、撮影と掲載の前に一度確認します。
撮影条件をそろえる
前後で同じ明るさ・角度・距離で撮る
加工の範囲を決める
明るさや爪の色を大きく変える加工はしない
併記する情報を決める
施術の種類・ケア内容・回数・期間を書く
爪への負担を書く
想定される負担や個人差を正直に添える
記録を残す
施術日と撮影条件を自分の控えとして残す
加工については、ゴミの写り込みを整える程度と、施術では起きていない変化を足すことを、あらかじめ線引きしておきます。実際に爪へ起きた変化だけを写す、という基準を自分の中で決めておくと、写真を選ぶときの判断がぶれません。
条件や注意点の見せ方
効果や変化に触れるときは、その前提になる条件をあわせて書きます。「効果には個人差があります」といった但し書きを添える場合は、強調した部分から離れた小さな文字ではなく、その近くに、背景と区別できる十分な大きさの文字で書きます。読んだ人がひと目で条件に気づけるように配置しておきます。
写真の印象と、文章での説明が食い違わないかどうかも読み返します。写真だけを見た人が受け取る印象と、実際に提供している施術の内容がそろっているかを、掲載前に自分で確認する時間を取っておきましょう。掲載までの流れは、次のように逆算しておくと準備が進めやすくなります。
掲載の2週間前
載せる施術と伝えたい変化を決める
掲載の1週間前
撮影条件をそろえてビフォーアフターを撮る
掲載の3日前
併記する情報と但し書きの文面を用意する
掲載当日
写真と説明の印象がそろっているか読み返す
迷ったときの確認先
自分の表記に迷ったら、公的な情報やガイドラインを確認します。日本ネイリスト協会(JNA)は、ガイドラインの中で「コンプライアンス/法令遵守」「景品表示法に基づく措置命令について」「ステルスマーケティングに関する注意喚起」といった項目を掲げています。ネイル業界に近い視点で表現の注意点を知りたいときの手がかりになります。
広告表現そのものについては、公益社団法人 日本広告審査機構(JARO)が広告への苦情を受け付けており、景品表示法に関するセミナーなどの情報も公開しています。また、消費生活全般のトラブルについては、独立行政法人 国民生活センターが相談窓口を案内しています。掲載前にこうした一次情報にあたる習慣をつけておくと、判断に迷ったときの拠りどころになります。ビフォーアフター写真は、正直な条件とあわせて見せることを基本にして、掲載を進めていきましょう。