カフェの敷地に自販機を置く前に|営業届出の確かめ方と保健所相談の段取り
カフェの敷地内に自動販売機を置くとき、食品衛生法の営業届出がどう関わるかを公的な案内の記載にそって整理しました。保健所の窓口へ相談に行く前にそろえる資料と、置き場所選びから届け出までの段取りをチェックリストと表で示します。
店先や駐車場に自動販売機を置いて、閉店後もドリンクや焼き菓子を手に取ってもらえるようにしたい。そう考えたときに、まず向き合うことになるのが食品衛生法の手続きです。
厚生労働省は、食品衛生法の改正について「HACCPに沿った衛生管理の制度化に伴い、食品等事業者を把握できるよう、営業の届出制度を創設しました」と説明しています。東京都も、「新たな『営業の許可制度』『営業の届出制度』が始まりました」「食品衛生法の改正に伴い、営業許可業種が見直されました」「許可の要件である施設の基準も改正されました」と案内しています。
すでに店を開けているオーナーがやることは、いま持っている営業許可と、これから置く自販機で売ろうとしているものを窓口に示して、必要な手続きを確かめることです。この記事では、その相談に行くまでの手順をまとめます。
営業届出制度で自動販売機がどう扱われているか
大阪市は営業届出制度について、「原則、全ての食品等事業者に『HACCPに沿った衛生管理』が義務付けられることに伴い、保健所が対象事業者を把握できるよう営業許可の対象となっていない業種を営む営業者(届出不要業種を除く。)は、届出をする必要があります」と案内しています。
そのうえで示されている「営業届出業種一覧」には、自動販売機に関わるものとして「コップ式自動販売機(自動洗浄・屋内設置)」と「自動販売機による販売業(コップ式自動販売機(自動洗浄・屋内設置)を除く。)」が並んでいます。同じ一覧には「弁当販売業」「野菜果物販売業」「その他の食料・飲料販」なども挙げられています。自分が置こうとしている機械がこの一覧のどれにあたるのかは、機械の仕様と売るものを示したうえで窓口に確認します。
届出そのものの扱いについては、「有効期限はないため更新の必要もありません」「届出事項に変更があった場合や廃業した場合はその旨の届出が必要です」と書かれています。出し方は、「営業施設所在地を担当する保健所生活衛生監視事務所の窓口に営業届出書を提出してください」とされ、東京都の案内でも「営業許可申請・営業届出は、下記の保健所窓口のほか厚生労働省の 食品衛生申請等システム によりオンラインで行うこともできます」と説明されています。
自分の店の売り方がこの枠組みのどこに入るのかは、機械と商品の実物に即して窓口で確かめます。次のものをそろえてから相談に向かいます。
自販機の仕様書
温度の管理機能と、機械の中で調理する機能の有無が分かるもの
入れる商品の一覧
仕入れた包装商品と、店内で作って包む菓子を分けて書き出す
店内で作る菓子の作り方メモ
どの場所で作り、どこで包むかまで書く
いま持っている営業許可の写し
許可の内容と、対象になっている施設の範囲が分かるもの
置き場所の図
敷地のどこに、どちら向きに置くか
表示ラベルの案
原材料、アレルゲン、賞味期限、製造者などの記載欄を並べたもの
窓口で聞くことのリスト
届出か許可か、書類は何か、いつまでに出すか
保健所へ相談するまでの段取り
自販機の設置は、機械を決めてから慌てて手続きを調べるのではなく、置き場所と売るものを先に固めてから窓口に行く流れで進めます。
置き場所を決める
敷地のどこに置くか、電源とお客さまの動線を先に決める
機械を選ぶ
メーカーから仕様書を取り寄せ、温度の管理機能と調理機能の有無を書き出す
売るものを決める
仕入れた包装商品と、店内で作るものに分けて一覧にする
賞味期限の根拠をそろえる
店内で作る菓子について、期限をどう決めたかの資料を用意する
保健所へ相談する
上の資料を持って窓口へ行き、必要な手続きと書類を確認する
手続きを出す
窓口、または食品衛生申請等システムから、案内された書類を出す
案内をそろえる
決まった内容にあわせて、店頭とウェブの表記を整える
東京都は、「営業許可申請・営業届出に関する手引き・様式」をまとめたページを用意しています。相談の前に、自分の地域の保健所が出している手引きに目を通し、分からなかったところをそのまま質問にして持っていきます。
なお、届出は出して終わりではありません。大阪市の案内にあるとおり、届出事項に変更があった場合や廃業した場合はその旨の届出が必要です。自販機を入れ替えたときや、扱う商品の区分を変えたときにどう扱うかも、最初の相談のときに聞いておきます。
お店の案内側でそろえておくこと
手続きの内容が決まったら、店頭とウェブの書き方をその内容にそろえます。機械の前に立った人が知りたいことを、次の順で書き出します。
- 自販機で買えるものの区分(仕入れた包装商品/店内で作って包んだ菓子)を分けて書く
- 買える時間帯と、店の営業時間が違う場合はその差を書く
- 店内で作って包む菓子には、原材料・アレルゲン・賞味期限・製造者の記載をそれぞれ貼る
- 敷地内のどこに機械があるかを、駐車場からの行き方とあわせて書く
- 同じ内容を、店頭の掲示とホームページ・LPの両方に置き、片方だけ古くならないようにする
ホームページ・LPには、自販機の写真と扱う区分、買える時間帯を同じ節にまとめておきます。SNSの投稿は流れていくので、いつ見ても同じことが書いてある場所を自分の店のサイトに置いておく、という考え方です。
自販機を置くまでの流れは、置き場所を決める、機械の仕様書を取り寄せる、売るものを一覧にする、保健所に相談する、案内を整える、という順に分けられます。順番どおりに進めてください。