カフェのヴィーガン・ベジタリアン表記を決める手順とメニュー表の書き方
カフェでヴィーガン・ベジタリアンのメニューを出すときに、除外する食材の線引き、メニュー表とホームページ・LPでの書き方、共有の厨房で踏む確認手順を、開店前から使える順番で整理しました。注釈文の型とチェックリストも載せています。
「このメニューはヴィーガンですか」と聞かれたとき、店の中の誰が答えても同じ内容になる状態をつくっておきます。ヴィーガンやベジタリアンという言葉は、人によって思い浮かべる範囲が違います。だからこそ、店として何を出さないのかを先に文章にして、メニュー表・ホームページ・LP・厨房の手順まで、同じ言葉でそろえておく必要があります。
なお、食品表示に関するガイドラインは、消費者庁の「ガイドラインが見たい(公益通報、食品表示等)」のページに、パンフレット・Q&A・ガイドラインとしてまとめられています。制度の話を店の言葉に落とす前に、一次情報の置き場所を押さえておきます。
まず「出さない食材」の線引きを紙に書く
最初にやることは、メニューを考えることではなく、除外する食材を品目ごとに書き出すことです。次の順に決めていきます。
- 肉・魚介そのものを外す。
- だし(かつお節、煮干し、鶏がらなど)を外すかどうかを決める。
- 卵、乳製品、はちみつ、ゼラチンを、それぞれ外すかどうかを一つずつ決める。
- しょうゆ・みそ・ソース類など、動物性の原材料が含まれうる調味料を、商品名まで指定して決める。
ベジタリアン向けを別に用意するなら、卵と乳製品の扱いを分けて別の区分にします。そして、決めた線引きに店の中での呼び名をつけます。呼び名がないと、スタッフごとに説明がずれます。
メニュー表とホームページ・LPに書くこと
独自のマークを使う場合は、マークだけを置かず、そのマークが何を外しているのかを同じ画面の中に凡例として書きます。「肉・魚介不使用」なのか、「卵・乳製品も不使用」なのか、「だし・調味料まで動物性不使用」なのかを、一文で言い切ります。
訪日のお客さま向けには、日本語と英語を並べて書きます。だしや調味料の話は英語圏の表記だけでは伝わりにくいので、除外の範囲を英語側にも明記します。
共有の厨房で調理する場合の注釈文は、次のような型で用意しておきます。
- 日本語:「当店では、動物性食材を使うメニューと同じ厨房・同じ調理器具で調理しています。」
- 英語:「These dishes are prepared in the same kitchen and with the same equipment as dishes containing animal products.」
この注釈は、メニュー表・注文画面・ホームページ・LPのそれぞれに同じ文言で載せ、注文前に読める位置に置きます。
除外する食材の一覧を紙に書き出した
品目ごとに「使う/使わない」を記入
マークの凡例をメニュー表に載せた
マーク単体で置かない
だし・調味料の扱いを本文に書いた
「だしも動物性不使用」まで書き切る
英語の表記を併記した
除外の範囲を英語側にも書く
共有の厨房についての注釈文を載せた
メニュー表・注文画面・ホームページ・LPで同じ文言
アレルゲンの問い合わせ先を店内に決めた
誰が答えるかを決めておく
厨房での手順を先に通しで試す
書き方が決まったら、厨房側の動きを開店前に一度通します。決めておく項目は次のとおりです。
- 調理する順番(動物性食材を使う調理の前に回すか、後に回すか)
- まな板・包丁・フライパン・揚げ油を分けるか、分けないか
- 分けない場合に、どのタイミングで洗うか
- 盛り付け場所と、提供までの動線
- 提供前に最終確認する担当を誰にするか
そのうえで、注文を受けたときに口頭で伝える一言を決めます。「同じ厨房で調理していますが、それでもよろしいでしょうか」まで含めて、言い方を全員でそろえておきます。
開店前からの進め方
開店2か月前
出さない食材の線引きを品目ごとに決める
開店1か月前
メニュー表・ホームページ・LPの文面を同じ言葉でそろえる
開店3週間前
仕入れ先から原材料の仕様書を集める
開店2週間前
厨房の手順を通しで試し、担当を決める
開店1週間前
注文時に伝える一言を全員で読み合わせる
開店後・毎月
仕様書と表記を突き合わせ、変更を一件ずつ記録する
表記をそろえたまま保つ
仕入れの原材料は、商品のリニューアルで中身が変わることがあります。仕入れ先から仕様書を定期的に受け取る仕組みを決め、受け取った日付と版を残します。
メニューを入れ替えるときは、厨房のレシピ、メニュー表の文面、ホームページ・LPの文面をセットで扱います。どれか一つだけを書き換えると、店内と画面で内容がずれます。担当を複数決めて、全員が確認してから公開する流れにしておきます。
変更の記録は、日付・対象メニュー・変えた内容・確認した人を一行にまとめ、一件ずつ残します。これが残っていると、後から「いつ何をどう書いていたか」をたどれます。