カフェのテラス席と置き看板、道路に出す前に確認する手続きの進め方
店舗前の歩道にテラス席や置き看板を出したいカフェのオーナー向けに、設置場所と道路管理者の確かめ方、窓口での事前相談で聞くこと、ほこみち制度の調べ方、申請までの段取りを、チェックリストと逆算の流れで整理しました。
店の前にテラス席を並べたい、通りから見える位置に置き看板を出したい。カフェを続けていると、店内だけでなく外の空間の使い方を考える場面が出てきます。ただ、店の建物から一歩外に出た場所は、自分で決めてよい場所とそうでない場所が混ざっています。まずは「どこに置きたいのか」を地図と写真で具体的にしてから、その場所を誰が管理しているのかを確かめる順番で進めます。
置きたい場所と、その場所の管理者を先に確かめる
置きたい位置を、店の入口からの向きと幅がわかる簡単な図に描き起こします。テーブルを何列置くのか、看板をどの向きに立てるのか、通行する人がどこを歩くのかまで描いておくと、窓口で話が具体的になります。
そのうえで、その場所が道路にあたるのか、あたる場合はどの管理者の管轄なのかを調べます。東京都建設局のサイトでは、よく利用されるページとして「東京都道路台帳公開システム」「道路占用関係申請様式」「道路の幅員情報」などが案内されています。お住まいの地域でも、道路の情報を公開する仕組みや申請様式の案内が用意されていることがあるので、自治体のホームページ・LPで探してみてください。管轄が国、都道府県、市区町村のどれになるかで相談先が変わるため、この確認を最初に済ませておきます。
窓口での事前相談で聞いておくこと
図面らしい図面を作り込む前に、手描きの配置図と現地写真を持って、道路を管理する部署と所轄の警察署の交通を担当する窓口の双方に相談に行きます。聞くことを決めてから行くと、一度の相談で確認できる範囲が広がります。
場所の扱い
置きたい位置が道路にあたるか、管轄はどこか
必要な手続き
道路占用許可と道路使用許可のどちらが必要か、両方か
判断の基準
敷地の中に置く余地があるかをどう見るか
物の種類
テラス席、置き看板、のぼり旗それぞれの扱い
寸法の条件
通行のために空けるべき幅、高さ、出幅の考え方
提出する書類
平面図・断面図・案内図など、求められる図面の種類
時期の目安
相談から許可までにたどる手順と、申請できる時期
計画の見通し
現状の案のうち変えたほうがよい点
窓口で「この形なら難しい」と言われた点は、その場でメモに残します。テーブルの列を減らす、看板を建物側に寄せる、置き看板をやめて店の壁面や窓の中で見せるなど、代わりの案をいくつか用意しておくと相談が前に進みます。許可を得ないまま物を置くことは避け、可否を確かめてから設置する順番を守ってください。
「ほこみち」の対象になっているかを調べる
国土交通省のページでは、「道路空間を街の活性化に活用したい」「歩道にカフェやベンチを置いてゆっくり滞在できる空間にしたい」など、道路への新しいニーズが高まっているとして、歩行者利便増進道路(ほこみち)制度が紹介されています。同ページでは制度の特徴として、道路管理者が歩道の中に「歩行者の利便増進を図る空間」を定めることができること、特例区域を定めることで道路空間を活用する際に必要となる道路占用許可が柔軟に認められること、道路管理者が道路空間を活用する者(占用者)を公募により選定することが可能になることが挙げられています。
自分の店の前の通りがこの制度の対象になっているかどうかは、道路を管理する部署に相談するときに一緒に聞いておきます。公募が行われる場合は募集の時期が決まっているので、告知がどこに出るのかも確認しておくとよいでしょう。
申請までの段取りを逆算して組む
テラス席や看板は、思い立ってすぐ出せるものではありません。相談から設置までを一本の流れとして組み立て、店の営業と並行して進められるようにします。
着手前
置きたい位置を図と写真にして、道路の管理者を調べる
事前相談
道路の管理部署と警察署の窓口に計画案を持参して聞く
案の調整
相談で指摘された点をもとに配置や物の種類を見直す
図面の準備
平面図・断面図・案内図など求められた書類をそろえる
申請
必要な許可の申請を、指示された窓口に提出する
設置
許可された範囲のとおりに設置し、当日の動線を店内で共有する
運用の確認
通行の妨げになっていないか、営業のたびに目視で見る
図面の作成に不安がある場合は、行政書士や店舗の施工を手がける事業者に相談し、どこまでを依頼するかを決めます。その際も、窓口で確認した内容のメモをそのまま渡せるようにしておくと、話が早く進みます。
決まった内容を店の情報発信にも反映する
設置が決まったら、テラス席の有無や利用できる時間帯、雨天時の扱いを、ホームページ・LPの店舗案内やSNSの固定投稿に書き加えます。席数や外の席の雰囲気は来店前に知りたい情報なので、店内席と外の席が分かる写真を用意し、ペット同伴や喫煙の可否といったルールも同じ場所にまとめておきます。
窓口で確認した内容、提出した書類、許可された範囲は、一つのフォルダにまとめて保管します。許可には期限が設けられることがあるため、次に手続きが必要になる時期をカレンダーに入れておき、担当が変わっても引き継げる状態にしておいてください。外の空間を使う計画は、確認する相手と順番さえ押さえておけば、営業を続けながらでも一つずつ進められます。