カフェオーナーがキッチンカーを始める前に確認する手続きの整理
店舗を運営しながらキッチンカーを検討するカフェオーナー向けに、出店候補地を土地の性質で切り分ける手順、保健所や警察署など相談先の整理、仕込みの扱い、準備の段取りをチェックリストにまとめました。
すでにカフェを運営していて、次の売り場としてキッチンカーを考えはじめると、車両選びや提供メニューの話が先に進みがちです。ただ、移動販売で先に固めておきたいのは「どこに出て、どの窓口に何を確認するか」のほうです。出店する場所によって話を持っていく相手が変わり、そろえる書類も変わります。ここでは、既存店の営業を続けながら進められるように、確認する相手ごとに整理していきます。
出店候補地を土地の性質で切り分ける
キッチンカーの出店先には、公道、民有地、公園などの公共用地、商業施設やイベント会場など、性質の異なる場所が混ざります。同じ「出せそうな場所」に見えても、性質が違えば相談する相手が別になります。まず候補地を書き出し、それぞれがどれに当たるのかを分けてから、窓口への確認に進みます。
候補地の住所と土地の性質
公道・民有地・公共用地・施設内のどれかを一件ずつ書き分ける
土地について話す相手
所有者・管理者・施設の運営者のうち、誰に確認するかを決める
出店する曜日と時間帯
既存店のシフトと重ならないかを先に照らし合わせる
提供メニューの範囲
車内で行う工程と、店舗側で済ませる工程を分けて書く
車両に載せる設備
給水・排水・手洗い・保管など、必要になる設備を一覧にする
確認した日付と相手
候補地ごとに、いつ・どこに確認したかを書き残す
この表を候補地の数だけ用意しておくと、あとから窓口に問い合わせるときに、同じ内容を毎回思い出さずに済みます。
営業許可の相談先と、聞く内容をそろえる
厚生労働省のサイトでは、「営業規制」として営業許可、営業届出について紹介されています。まずは制度の情報がどこに載っているかを押さえたうえで、実際の申請については、出店を予定する地域を管轄する保健所に確認します。
問い合わせの前に、次の内容を手元にまとめておきます。
- 車両の図面と、車内に載せる設備の一覧
- 提供する予定のメニューと、その調理工程
- 車内で行う工程と、車外で行う工程の区分
- 出店を予定している地域の一覧
- 既存のカフェで受けている営業許可の内容
出店したい地域が複数にまたがるときは、地域ごとにどの窓口へ相談するかを一覧にしてから、順番に確認していきます。地域をまたぐ計画は、ルートを決めてから窓口を探すより、窓口の答えを聞きながらルートを絞るほうが、確認の抜けを見つけやすくなります。
既存店の厨房を仕込みに使うかを決める
車内でできる調理の範囲は、車両の設備によって変わります。下ごしらえや作り置きを既存のカフェの厨房で行いたい場合は、その使い方が認められるかどうかを、保健所への相談内容に必ず含めます。あわせて、次の点を自分の側で決めておきます。
- 既存店の営業時間と、仕込みを行う時間帯をどう分けるか
- 仕込んだものをどう保管し、どうやって車両まで運ぶか
- 店舗側と車両側で、それぞれ誰が衛生の管理を担当するか
- 追加で必要になりそうな設備があるか
これらを決めずに相談すると、答えを持ち帰るたびに条件が変わり、やり取りが長くなります。先に自分の運用案を紙に書いてから相談に行きます。
公道と民有地では、相談する相手が違う
道路に車を止めて営業することを候補に入れるなら、その道路を管轄する警察署に、どのような手続きと条件が必要かを確認します。警察庁のWebサイトには、ご意見、各種相談・情報提供等の窓口が案内されています。
民有地やイベント会場を候補にする場合は、土地の所有者や施設の運営者と話を進めることになります。このとき、土地の所有者の了解だけで判断せず、市区町村の都市計画や建築を扱う窓口にも、その土地でキッチンカーの営業ができるかを確認します。住居向けの地域では、土地の使い方そのものに制限が置かれていることがあるためです。公道と民有地の両方を並行して当たっておき、確認が取れた場所から候補を絞っていきます。
準備の段取りを一枚にしておく
確認先が複数に分かれるぶん、いま何が終わっていて何が止まっているのかが見えにくくなります。段階ごとに区切って書き出しておきます。
候補地を洗い出す段階
出したい場所を書き出し、土地の性質ごとに分ける
窓口に相談する段階
保健所・警察署・土地の管理者に、それぞれ確認する
車両と設備を決める段階
相談で分かった条件に合わせて、載せる設備を決める
書類をそろえる段階
図面・メニュー・調理工程の資料をまとめて提出する
出店予定を出す段階
ホームページ・LPに出店予定を載せる欄を用意する
キッチンカーは、出る場所と日時が回ごとに変わります。既存店のホームページ・LPに出店予定を載せる欄を作り、決まった順に書き足していけるようにしておきます。予約や問い合わせの受け付け先も、店舗とキッチンカーのどちらの話なのかが読み手に分かるように書き分けておくと、届いた連絡を仕分けしやすくなります。
窓口ごとに確認する内容を先に決め、答えを一枚に集めていく。この進め方であれば、既存店の営業を止めずに、キッチンカーの準備を並行して進められます。