カフェのアルバイト募集で明示する労働条件の整え方
カフェでアルバイトを募集するときに、募集の段階で明示する労働条件をどう整理するかをまとめました。令和6年4月から追加された明示事項の確認、ホームページ・LPの採用ページと求人媒体の記載をそろえる手順、書き出し用のチェックリストまで順に説明します。
カフェを開いて最初のアルバイトを募集するとき、まず決めることになるのが「募集の文章に何をどこまで書くか」です。求人媒体の入力欄を埋め、自分のお店のホームページ・LPの採用ページにも書く、という順で進めると、書く場所ごとに内容を考え直すことになります。
ここでは、募集の段階で明示する労働条件を先に一枚にまとめ、そこから各所へ書き写していく進め方を紹介します。
募集の段階で示す内容を、先に一枚にまとめる
厚生労働省の案内では、求人企業・職業紹介事業者等が労働者の募集を行う場合・職業紹介を行う場合等には、募集する労働者の労働条件を明示することが必要とされています。募集を出す場所が求人媒体でも、自分のお店のホームページ・LPの採用ページでも、書く内容そのものは同じ一枚から取り出します。
そこで、募集の文章を書き始める前に、明示する事項を箇条書きにした一枚を作っておきます。ホールとキッチンのどちらを担当するのか、働く場所はどこか、時間帯はどう組むのか。まだ決めていない項目は、埋めずに空欄のまま残しておき、募集を出す前に一つずつ決めていきます。
募集を出す2週間前
働く場所と担当する業務を書き出し、空欄になった項目を決める
募集を出す1週間前
求人媒体の入力欄と採用ページの文章を、同じ一枚から書き写す
募集開始日
両方の記載を並べて読み、内容が違っている箇所を洗い出す
面接を行う前
当日に口頭で伝える内容を手元にまとめておく
令和6年4月から追加された明示事項を確認する
職業安定法施行規則が改正され、令和6年4月1日からは、募集時等に新たに次の事項についても明示することが必要となりました。
- 従事すべき業務の変更の範囲
- 就業の場所の変更の範囲
- 期間の定めがある働き方を更新する場合の基準に関する事項(通算する期間または更新回数の上限を含む)
カフェの募集に当てはめると、1つ目は「入ったときはホール担当だが、あとからキッチンも担当することがあるのか」という話になります。2つ目は「この店舗だけで働くのか、いずれ別の店舗に入ることがあるのか」という話です。3つ目は、期間を区切って募集する場合に、その先どういう基準で続くのかを示す項目にあたります。
いずれも、いま決まっていることをそのまま書けばよい項目です。店舗内の業務だけ、この店舗だけ、という前提であれば、その通りに書きます。将来的に別の店舗へ入ってもらう可能性があるなら、その可能性まで含めて範囲として書いておきます。開業したばかりで判断がつかない項目があれば、募集を出す前にオーナー側で決めてしまうのが先です。
ホームページ・LPの採用情報も同じ内容にそろえる
求人媒体には入力欄がありますが、自分のお店のホームページ・LPの採用ページは自由に書ける分、項目の並びも自分で決めることになります。採用ページを作るときは、一枚にまとめた項目を見出しとしてそのまま並べ、それぞれの下に文章を入れていきます。並べ終えたら、文章が入っていない見出しが残っていないかを見ます。
あわせて、性別や年齢に触れる表現が入っていないか、募集の文章を最後に読み返します。「若い方が活躍中」「女性スタッフ中心のお店です」といった一文が見つかったら、そこで本当に伝えたかったことは何かを考えます。伝えたいのが働き方や店の雰囲気であれば、その内容そのものを書きます。
募集の文章を出す前のチェックリスト
働く場所
店舗名と所在地を書いたか
従事すべき業務
ホール、キッチンなど担当する内容を具体的に書いたか
従事すべき業務の変更の範囲
あとから担当が変わる可能性の有無を書いたか
就業の場所の変更の範囲
別の店舗に入る可能性の有無を書いたか
期間の定めの有無
期間を区切る場合、更新の基準を書いたか
働く時間
始業と終業の時刻、休憩、シフトの決め方を書いたか
休日
週の休みの取り方を書いたか
応募できる人の条件
性別や年齢で絞る書き方になっていないか読み返したか
記載の一致
求人媒体と採用ページの内容が同じか並べて確認したか
上の項目を1件ずつ確認し、空欄が残っていればそこを決めてから募集を出します。すでに募集を出したあとで気づいた場合も、同じ手順で書き改め、求人媒体と採用ページの両方を同時に置き換えます。
迷ったときに見る資料と相談先
厚生労働省のページには、改正の内容についてのリーフレットやパンフレット、労働条件明示等に関するQ&Aが掲載されています。書き方に迷う項目が出てきたら、まずこれらの資料を開き、自分の募集内容に当てはめて読みます。
そのうえで判断がつかないときの相談先も案内されています。制度改正の内容や労働条件明示がされないなど労働基準法違反と思われる場合の相談先は、都道府県労働局/監督課、全国の労働基準監督署です。無期転換ルールに関する事項についての相談先は、都道府県労働局/雇用環境・均等部(室)とされています。連絡先は同ページから確認できます。
次の募集を出すときは、この一枚を開いて、変わった項目だけを書き改めます。開業直後の忙しい時期は、まず一枚にまとめるところから始めてください。