カフェのレシート・領収書をインボイス対応にする開店前の準備手順
ビジネス利用のお客さまからインボイス対応のレシートや領収書を求められる場面に備えて、開店前にレジと手書きの見本をそろえ、国税庁が公開している最新の資料で自分の目で確かめ、迷う点は相談先に問い合わせるところまでを、個人カフェの現場目線で手順にまとめました。
ランチの時間に、スーツ姿のお客さまから「領収書をお願いします」と声をかけられる。カフェを始めると、遅かれ早かれ出会う場面です。レジ前に列ができているときほど、何を書けばよいのか迷いたくないものです。
ここでは、開店前のうちに決めておけることを手順の形で整理します。書類に何をどう記載するかという中身そのものは、この記事では扱いません。国税庁が公開している最新の資料と、あとで挙げる相談先で、ご自身で確かめてください。国税庁のサイトでは、「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(インボイスQ&A)」を改訂したことが知らされています。改訂が入る資料なので、開店の準備をする時点の最新版を開くところから始めます。
まず、レジの書類と手書きの書類を分けて考える
カフェで渡す書類には、レジから出てくるものと、手書きで書いて渡すものがあります。この二つは、用意の仕方も、迷いが起きる場所も違います。
レジから出るものは、開店前にレジの設定を済ませてしまえば、あとは同じものが出続けます。手書きのものは、書く人が変わっても同じ形で書けるように、見本を用意しておきます。
やることは単純です。レジから出てくる書類を一枚出して紙のまま手元に置き、手書き用の用紙にも同じように見本を書き込んでおく。その二枚を並べて、書いてある項目がそろっているかを見比べます。ずれている箇所が見つかったら、そこが確認すべき点です。
開店までの確かめ方を逆算する
準備の時期ごとに、やることを分けておきます。
準備を始めるころ
レジから出る書類と手書き用の用紙の見本を紙でそろえる
見本ができたら
国税庁が公開している最新の資料を開き、自分の目で確かめる
迷う点が残ったら
日本商工会議所のページから案内されている相談先に問い合わせる
開店の直前
見本をレジのそばに置き、スタッフ全員で書き方を読み合わせる
問い合わせ先については、日本商工会議所のインボイス制度のページに、「軽減・インボイスコールセンター(消費税軽減税率・インボイス制度電話相談センター)」の案内が置かれています。同じページには、「インボイス制度の周知チラシ」や「今すぐ確認!中小企業・小規模事業者のためのインボイス制度対策」といった資料、中小企業庁の「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」への案内も並んでいます。自分で読んで確かめる入口と、人に聞いて確かめる入口が、同じページにまとまっています。迷った時点でどちらへ向かうかを、先に決めておきます。
手書きで渡すときの段取りを決めておく
手書きで渡すときは、「誰が、どこで、何を見ながら書くか」を開店前に決めておきます。決めることは次のとおりです。
手書き用の用紙をどこにしまうか
レジの下など、席を離れずに取れる場所にする
書く担当を誰にするか
ホールとレジのどちらが書くかを決めておく
見本をどこに置くか
用紙と同じ場所に、記入済みの見本を一枚入れておく
店名の書き方をそろえる
レジの書類と手書きの用紙で表記を同じにする
登録番号の扱いを決める
記載の要否と書き方を自分で確かめ、書くなら誤りを防ぐ手立てを用意する
書き損じたときの扱い
新しい用紙に改めて書き、書き損じた分の保管場所を決めておく
控えの保管場所
誰が見ても分かる一か所にまとめる
登録番号のように毎回同じ文字を書き写す項目があるなら、印字したスタンプや、あらかじめ印刷された既製の用紙を使う方法もあります。どちらを選ぶかは、手書きで渡す場面がどのくらいありそうかを見てから決めれば十分です。
宛名を求められたときの返し方を決めておく
「会社名で書いてください」と言われたときに、その場で考え込まないよう、店としての返し方を先に決めておきます。会社名の聞き取り方(口頭で聞くか、名刺を見せてもらうか)、書く人、書いたあとの控えの扱い。これらを決めて、スタッフに共有しておきます。
判断に迷う点は、そのつどメモに書き出しておきます。メモがたまったら、まとめて相談先に問い合わせます。
店名まわりの表記をそろえる
最後に、表記の話です。レシート、手書きの用紙、ホームページ・LP、店頭の表示。これらに書かれた店名や住所の表記をそろえておきます。屋号を漢字で書くのかカタカナで書くのか、店名の前後に何を付けるのか。開店前に決めて、用意した見本にも同じ表記を反映しておきます。
書類の準備は、開店準備のなかでは目立たない部分です。それでも、開店前に決めておけることは先に決めておきます。見本を紙で持っておく、迷いは書き出して相談する。ここから始めてみてください。