カフェの自家栽培ハーブをメニューに使う前に。保健所相談と衛生管理の進め方
店内で育てたハーブや野菜をカフェのメニューに使いたいときに、先に整理しておきたいことをまとめました。保健所への相談で確認する項目、栽培から提供までの衛生管理、日々の記録の続け方を手順で解説します。
店の片隅で育てたハーブを、ドリンクや料理に添えて出す。カフェならではの楽しみ方ですが、いざ始める前に確かめておきたいのが、営業許可の扱いと衛生管理です。この記事では、店内で自家栽培したハーブや野菜をメニューに使う前に整理しておきたいことを、保健所への相談、衛生管理のルールづくり、日々の記録の順にまとめます。
提供の形を整理して、保健所に相談する
育てたものを調理してメニューとして出すのか、収穫したものをそのまま販売もするのか。まずは提供の形を書き出し、自分で結論を出す前に、管轄の保健所へ相談しましょう。栽培スペースと調理場の位置関係が分かるレイアウト図面や、栽培方法のメモを持参し、確認した内容は控えに残しておきます。
提供の形を書き出す
調理して出すのか、そのまま販売もするのかを分けて整理する
栽培場所の図面を用意する
調理場との位置関係が分かるレイアウト図を持参する
栽培方法をまとめる
水耕か土を使うか、培地や培養液に何を使うかを書いておく
使う水を確認する
栽培や洗浄に使う水がどこから来る水かを説明できるようにする
相談の記録を残す
保健所で確認した内容と担当窓口を控えておく
栽培から提供までを衛生管理のルールに落とす
農林水産省は、野菜を衛生的に保ち、食中毒が起きないようにするため、衛生上の注意すべき点をまとめた指針を作成し、生産段階での野菜の衛生管理を推進しています。同省は、生産段階での取扱いに気を付けなければ、出荷時に付いている微生物が流通・販売の間に増えて食中毒が起きてしまうかもしれない、とも説明しています。また、場面や野菜の種類によって衛生上の注意すべき内容が異なるともされています。店内で育てる場合は、調理場と同じ発想で、栽培まわりにも自分の店のルールを決めておきましょう。
決めておきたい自主ルールの例です。
- 手洗い: 収穫や植え替えの前にも、調理前と同じ手順で手を洗う
- 水: 栽培や洗浄には、飲み水として使えるものを使うと決めておく
- 培養液・栽培槽: 洗う頻度と方法をあらかじめ決め、カレンダーに落とす
- 器具: 収穫用のハサミやトレーは専用にし、使うたびに洗う
- 生で出すもの: 加熱せずに添えるハーブは、提供直前に洗う手順(消毒の方法を含めて)を決めておく
記録に落として、続けられる形にする
厚生労働省は、一般飲食店事業者向けに、衛生管理計画や実施記録を入力できるHACCP衛生管理記録アプリを公開しています(スマートフォン・タブレット専用のアプリです)。すでに衛生管理計画を運用しているお店なら、そこに「栽培・収穫」の項目を書き足すところから始めます。収穫した日、洗った方法、栽培槽を洗った日を、営業後の記録と同じタイミングで書く、と決めておきましょう。
店で育てたハーブをメニューに使い始めたら、ホームページ・LPやメニュー表での紹介文も準備しましょう。その際、決めた衛生管理のルールを言葉にして添えられるように、書き出した内容は手元に保管しておきます。
導入を決めたとき
提供の形(調理して出す・そのまま販売する)と栽培場所の案を書き出す
栽培を始める前
レイアウト図面を持って管轄の保健所に相談し、確認結果を控える
初収穫の前
手洗い・水・栽培槽の洗浄などの自主ルールを決め、衛生管理計画に書き足す
提供を始めてから
収穫や洗浄の記録を日々つけ、ルールを定期的に見返して更新する
準備の流れは、保健所への相談、自主ルールづくり、記録の仕組みづくりの順です。ここまで整えてから、最初のひと皿に店のハーブを添えてみてください。