カフェ開業前に確かめる手洗い設備の図面とHACCPの進め方
カフェの内装が動き出す前に、手洗い設備まわりを図面と仕様書で固め、保健所の窓口で確認するまでの手順をまとめました。HACCPに沿った衛生管理として営業者が実施することも、開業準備の順番に沿って整理します。
カフェの開業準備では、内装の打ち合わせで厨房のレイアウト、シンクの数、水栓の形を決めていきます。どれも図面の上では一行ですが、決めた内容はそのまま壁や配管の位置になります。まだ図面を書き直せるうちに確かめておきたい項目を、順番に並べます。
東京都の「食品衛生の窓」は、食品衛生法の改正に伴って営業許可業種が見直され、あわせて「許可の要件である施設の基準も改正されました」と説明しています。つまり、厨房の設備をどう作るかは、開業後の運営ではなく、図面を描く段階の話です。ここでは、工事の手続きを進める前に手洗い設備まわりを確かめる順番と、HACCPに沿った衛生管理として営業者が実施することを整理します。
図面と仕様書を持って、保健所の窓口で確認する
施設の基準については、自分のお店の図面を持って管轄の保健所の窓口で確認します。カタログを見て自分で判断せず、実際に描いた図面と使う予定の設備の仕様書を示して、そのまま質問します。
設計会社や施工会社との打ち合わせが決まったら、次のものを紙で用意して窓口へ持って行きます。
厨房と客席の平面図
シンクと手洗い設備の位置が読み取れるもの
水栓の仕様書
操作方式と寸法が載っているカタログのページ
シンクの仕様書
槽の数とサイズが分かるもの
店舗の営業形態のメモ
提供メニューの構成と、どこで何を仕込むか
質問リスト
その場で聞きたいことを箇条書きにしておく
窓口では、手洗い設備の水栓をどの操作方式にするか(手を触れずに水が出るもの、レバー、足踏みなど)を図面と仕様書の上で示し、この計画で進めてよいかを確認します。レバーを選ぶなら、突き出す長さがどれくらい必要かも、その場で施工会社に伝えられる言葉にして持ち帰ります。
あわせて、調理用のシンクと手洗い用の設備が図面上でそれぞれ独立して配置されているかを、指差しで確認しておきます。窓口で確認した内容はその場で図面に書き込み、施工会社にはその一枚を渡します。
なお、営業許可申請・営業届出は、保健所窓口のほか、厚生労働省の食品衛生申請等システムによりオンラインで行うこともできると案内されています。窓口へ行く回数を減らしたい場合は、この方法も確認しておきます。
HACCPに沿った衛生管理として実施することを、開店前に形にする
厚生労働省のHACCPのページでは、営業者が実施することとして次の内容が挙げられています。
衛生管理計画を作成する
「一般的な衛生管理」及び「HACCPに沿った衛生管理」に関する基準に基づく
従業員に周知徹底を図る
作成した計画を働く人に伝える
手順書を作成する
必要に応じて、清掃・洗浄・消毒や食品の取扱い等について具体的な方法を定める
記録し、保存する
衛生管理の実施状況を残す
検証し、見直す
定期的に、及び工程に変更が生じた際等に効果を振り返る
これらは、厨房のレイアウトを決めるのと同じ時期に形にしておきます。記録の用紙をどこに置くか、誰が書くか、いつ見返すかまで決めて、手洗い設備の位置が決まったら、その近くに記録用のバインダーを置く場所も図面に書き込みます。
開業までの並べ方
ここまでの内容を、開業準備の時期ごとに並べます。
物件が決まった直後
厨房のたたき台の図面を用意し、保健所の窓口に相談する日を決める
内装の打ち合わせ前
水栓とシンクの仕様書を集め、図面とあわせて窓口で確認する
図面を固める段階
窓口で確認した内容を図面に書き込み、施工会社へ渡す
工事が始まる前
衛生管理計画と記録の用紙の形式を決め、置き場所を図面に反映する
開店の準備期間
記録の書き方を実際に一度通しで試し、担当を決める
この時期には、ホームページやLPの準備も並行して進めます。営業時間、提供メニューの構成、店内で何をどう作っているかといった情報は、衛生管理の書類を整えるときにも書き出すので、同じメモをホームページやLPの原稿にも使います。写真については、工事が終わった直後の厨房を撮る予定を、工事の日程と一緒に書き込んでおきます。
まとめ
手洗い設備の話は、開業準備のなかでは地味な一項目に見えます。それでも、扱うのは図面と配管の位置です。仕様書を印刷して窓口に持って行く。確認した内容を図面に書き込む。記録の用紙の置き場所まで決める。内装の打ち合わせが本格化する前に、この順番で手を動かしておきます。