カフェのロゴ入りTシャツとトートバッグ、表示ラベルの決め方
自店ロゴ入りのTシャツやトートバッグを店頭とオンラインで売るとき、タグに何を入れるかを消費者庁の繊維製品一覧表と手引きに沿って整理します。仕入れた無地の製品に加工する場合のタグの扱いと、発売までの段取りまで手順にまとめました。
コーヒーを出しながら、自店のロゴを入れたTシャツやトートバッグをレジ横に並べたい。そう考えたときに最初につまずくのが、服の内側に付いている小さなタグの中身です。何をどこまで書けばいいのか、無地の製品を仕入れて加工する場合はどうなるのか。ここでは、消費者庁が公開している資料をたどりながら、確認する順番を整理します。
Tシャツとトートバッグは、たどる資料が違う
家庭用品品質表示法について、消費者庁は「消費者が日常使用する家庭用品を対象に、商品の品質について事業者が表示すべき事項や表示方法を定めており、これにより消費者が商品の購入をする際に適切な情報提供を受けることができるように制定された法律です」と説明しています。あわせて「施行令等で定めた家庭用品のみに表示の規制を求めております」とも記されていて、「対象品目一覧」を確認するよう案内されています。
ですから、まず自店のグッズが何という品目にあたるのかを特定するところから始めます。
繊維製品については「繊維製品一覧表」に品目が並んでいます。糸、織物・ニット生地・レース生地に続いて、コート、セーター、シャツ、ズボン、水着といった衣料品等が掲げられ、さらに布団カバー、敷布、カーテン、テーブル掛け、タオル及び手拭いなども載っています。それぞれの品目に「繊維の組成」「家庭洗濯等取扱方法」「はっ水性」「表示者名及び連絡先」という表示事項の欄があり、シャツの行では、繊維の組成、家庭洗濯等取扱方法、表示者名及び連絡先に印が付いています。
一方、かばんはこの繊維製品の一覧には見当たりません。消費者庁の「よくある質問」を見ると、かばんは「繊維製品について」ではなく「雑貨工業品について」のカテゴリに置かれています。トートバッグを扱うときは、この違いを踏まえて、繊維製品側ではなく雑貨工業品側の説明をたどってください。同じ棚に並ぶグッズでも、読む資料が枝分かれします。
Tシャツの表示を決める手順
Tシャツについては、次の順で確認していきます。
品目を特定する
繊維製品一覧表と製品別品質表示の手引きで、そのTシャツがどの品目の行にあたるかを確認する
表示事項の欄を読む
シャツの行では、繊維の組成・家庭洗濯等取扱方法・表示者名及び連絡先に印が付いている
組成の情報を集める
生地の組成を仕入れ先から書面で受け取り、手元の資料として残しておく
洗濯表示の決め方を読む
製品別品質表示の手引きには「洗濯表示」の項目があるので、そこで記号の考え方を確認する
取付方法を読む
よくある質問には「洗濯表示(取付方法)」の項目があるので、タグの付け方をそこで確認する
表示者名と連絡先を決める
表示に載せる店名と連絡先を、加工を頼む前に決めておく
消費者庁は、家庭用品品質表示法の運用について「事業者自ら家庭用品品質表示法上不適正表示があったと申し出があったもの等について、消費者への注意喚起のために公表します」としています。表示は、作ってから直せばよいものではなく、作る前に固めておくものだと考えて進めてください。
仕入れた無地の製品に加工するとき
無地のTシャツを仕入れてロゴをプリントする場合、元から付いているタグをどうするかという判断が出てきます。既存のタグを切り取って自店の表示を入れたタグを付け替えるのか、既存のタグを残したまま自店の表示を別に付け加えるのか、という二択です。
ここで参考になるのが、繊維製品一覧表の注記です。「品質表示の内容を分離して表示を行う場合には、それぞれに表示者名等の付記が必要である」と書かれています。表示の内容を一枚にまとめず複数に分けて付けるやり方を選ぶなら、この注記が何を求めているかを読んだうえで、どちらの方式にするかを決めてください。加工の相談に入る前に方式を決めておくと、タグの形や枚数もあわせて依頼できます。
自分たちだけで洗濯表示の中身を決めきれないときは、外部の機関にあたるという選択肢もあります。一般財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)は品質試験・検査を行う機関で、サイトには「日本の表示の知識と法律」として「家庭用品の品質表示」「家庭洗濯等取扱表示」「かばんの表示」「サイズ表示」といった記事が掲載されています。まずこうした解説を読み、必要なら相談窓口をあたる、という進め方ができます。
店頭とホームページ・LPの両方に出すとき
グッズを店頭だけでなくオンラインでも扱うなら、商品ページに載せる説明と、実物のタグに書いた内容がずれないようにしておきます。素材の書き方、洗い方の案内、トートバッグに自主的に付ける下げ札の文言。これらを別々のタイミングで別々の人が書くと、表記が食い違いやすくなります。タグの内容を先に確定させ、それをもとにホームページやLPの商品ページの文章を起こす、という順番にしてください。
発売までの流れは、次のように逆算しておくと迷いません。
作るものを決めたとき
Tシャツとトートバッグを分けて考え始める。たどる資料が違うため、まとめて進めない
仕入れ先を選ぶとき
生地の組成と洗濯に関する情報を書面で受け取れるかを確かめる
加工を依頼する前
表示の中身と、タグをどう付けるかの方式を固めてから相談に入る
店頭に並べる前
表示が本体に付いた状態の実物を手に取り、書かれている内容を読み合わせる
オンラインに出すとき
商品ページの素材・取り扱いの説明を、タグの内容と突き合わせてそろえる
小さなタグ一枚ですが、そこに書く内容は、どの品目にあたるかという入り口の判断で決まります。ロゴのデザインを考える前に、まず消費者庁の一覧表と手引きを開いて、自分の作ろうとしているものがどの行に載っているかを探してみてください。