カフェでペット向けおやつを手作りする前に確認する届出と帳簿
カフェの店内でペット向けのおやつを手作りして出す前に、ペットフード安全法の事業者向け案内で何を確認するかを整理します。届出と帳簿、表示、保健所への事前相談、厨房の使い方の決め方、ホームページやLPに載せる文言のそろえ方まで、開店前の順に並べます。
ペットと一緒に過ごせるカフェを開くとき、「店内でおやつも手作りして出したい」「持ち帰れるように包んで渡したい」という案は自然に出てきます。ただ、そこで開く資料は、人が食べるものを出すための準備物だけでは足りません。ペットに与える飼料については別に法律があり、事業者向けの届出や帳簿、表示の決まりが置かれています。厨房のレイアウトを固めてから知ると、そこからやり方の組み替えを相談することになります。この記事では、開店準備のどの時点で、どこを読み、どこに相談し、何を手元にそろえておくかを順番に並べます。
ペットフード安全法という別の枠を先に開く
農林水産省の事業者向けページには、愛がん動物用飼料の安全確保を図るため、農林水産省と環境省の共管で「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)が施行された、と書かれています。同じページは、ペットフードの製造、輸入、販売を行う事業者に向けて、法律の概要、届出等に関するマニュアル、Q&A等を掲載しているページだと説明しています。
手続きの入口について、近畿農政局の事業者向け案内には「ペットフードを製造・輸入販売する場合、法人、個人を問わず、事業を開始する前に届出が必要です」と記されています。あわせて「製造・輸入・卸売販売をする者は、帳簿を備え付ける必要があります」「その他、製品表示基準、成分規格、製造方法基準などが定められています」とあります。届出が事業を始めた後の事務ではなく、始める前の段取りとして置かれている点を、開店計画の日程に先に反映させます。
自分の店で出そうとしているおやつがこの法律の対象になるかどうかは、記憶や人づてで決めず、上記のページ本文と、そこに掲載されている事業者向けQ&A、届出や帳簿に関するマニュアルを開いて確かめます。読んでも判断がつかない点は、同じページに載っているお問い合わせ先へ、作ろうとしている物と売り方を具体的に書いて質問します。
店の構想を書き出す時期
ペット向けのおやつを手作りして出すのか、仕入れた物だけを扱うのかを決める
厨房のレイアウトを決める前
保健所に事前相談し、人が食べるものとの作業の分け方を確認する
物件と設備を決めた後
農林水産省の事業者向けページで届出様式一式とマニュアルを入手する
おやつづくりを始める前
届出を済ませ、帳簿の様式と記入の担当を決めておく
店内で出し始めた後
帳簿への記入を営業日ごとの作業に組み込む
厨房の使い方は、図面を固める前に相談する
人が食べるものを出す営業と、ペット向けのおやつづくりを同じ厨房で行うつもりなら、その使い方を開店前に保健所へ相談します。相談に行くときは、口頭の説明だけでなく、厨房の図面、作業台と器具の置き場所、仕込みと焼成の時間帯、扱う原材料の一覧を持参します。図面が固まる前に相談し、指摘を受けた点は図面の段階で反映させます。
相談の場で決めておきたいのは、作業スペースの区切り方、ボウルや型や天板を分けるか共用するか、共用する場合の洗浄と保管の手順、そして完成した物の置き場所です。決まった内容は、口約束で終わらせず、日付と担当者名を添えて自分のメモに残し、後から厨房業者と共有できる形にしておきます。
原材料を選ぶときは、近畿農政局の案内にある「人が普段食べている食品でも、犬や猫には有害なものがあります」という記載を踏まえます。人向けの焼き菓子で使い慣れている材料をそのまま持ち込まず、使う予定の材料を一覧にして、事業者向けの資料や問い合わせ先で確認したうえで確定させます。
帳簿・表示・立入検査に備えて手元をそろえる
農林水産省の事業者向けページには、ペットフード安全法で義務付けられている届出、表示の基準、成分規格、製造の方法の基準、帳簿の備付け等について説明しているリーフレットのほか、届出や帳簿に関するマニュアル、変更届・廃止届・承継届等を含む届出様式一式が掲載されています。同じページには、事業者がどのように製造管理、品質管理などを行ったらよいかについて参考となる事項をまとめた資料や販売業者チェックリスト例、原産国名の表示について参考となる事項をまとめたリーフレットも置かれています。開店準備のフォルダに、これらをまとめて保存しておきます。
検査についても、近畿農政局の案内に記載があります。国と(独)農林水産消費安全技術センター(FAMIC)が、ペットフードの製造業者、輸入業者、販売業者へ立入検査を定期的に又は必要に応じて実施し、立入検査では帳簿の確認、法令を守って製造や表示が行われていることの確認、分析検査用の製品・原材料の集取等を行う、とされています。帳簿は、求められたときに開ける状態にしておきます。
店で出すおやつが法律の対象になるかを、事業者向けページとQ&Aで確認した
厨房の図面と原材料一覧を持って、保健所へ事前相談に行った
作業スペースと器具の扱い、洗浄と保管の手順を書き出した
届出様式一式と、届出や帳簿に関するマニュアルを入手した
事業を開始する前に届出を済ませる日を、開店の日程表に入れた
帳簿の様式と記入担当、保管場所を決めた
包装に載せる表示を、表示の基準に関する資料と照らして書き出した
店の案内文は、包装の表示と言い方をそろえてから出す
準備が進んだら、店の案内をどう書くかに移ります。ホームページやLPでおやつの取り扱いを知らせるときは、先に包装に載せる表示を書き出し、その言葉づかいに合わせて掲載文をそろえます。おやつの名称、原材料の書き方、どこで作っているかの説明は、包装、店内の掲示、ホームページやLPで同じ表記に統一し、書き換えるときはすべて同時に手を入れます。
掲載の順序も決めておきます。届出を済ませ、包装の表示を確定させ、それからホームページやLPの掲載文を用意する、という順に進めます。あわせて、ペット向けのおやつについて質問が来たときに誰がどこまで答えるかを決め、予約や問い合わせのフォームと同じ場所に窓口を用意しておきます。
最後に、ここまでの確認結果と相談内容を同じファイルにまとめておきます。保健所での相談メモ、事業者向けページから入手した資料、届出の控え、帳簿の様式、包装の表示案。これらを同じ場所に置き、開店後にスタッフが増えたときは、このファイルを見せて手順を引き継ぎます。