カフェのキャッシュレス売上と決済手数料、記帳で迷わないための確認手順
カフェでカードやQRコード決済を入れたあと、売上の記録と決済手数料の扱いで手が止まりがちです。国税庁の説明を手がかりに、店内とお持ち帰りの区分、明細の見方、月末に見比べる項目までを手順として整理します。
カフェにカードやQRコード決済を入れると、レジ締めのあとにもうひとつ作業が増えます。決済事業者から届く明細を開き、どの売上がどこに対応するのかをたどる作業です。ここを毎月の決まった手順にしておくと、確定申告や決算の時期に開く資料も同じものになります。
この記事では、開業して初めてキャッシュレスの売上を扱うカフェのオーナーに向けて、日々の記録と月末の確認を手順として整理します。判断に迷う論点は、自分で結論を出さずに確認先へ回す、という前提で読み進めてください。
記録は「入金の通知」ではなく提供した日から始める
まず決めておきたいのが、何を見て記録するか、です。提供した日のレジ記録を土台に置き、そこへ決済事業者の明細を後から重ねる、という順番を先に決めます。
そのうえで、次を運用として固定します。
- レジの記録を日ごとに出力し、決済の種類ごとに分けて保存する
- 決済事業者の明細は届いた月のうちに開き、レジの記録と並べて置く
- 売上として記録した額と、口座に入った額を、それぞれ別の項目として残す
入った額だけを残す形にはせず、売上と、そこから差し引かれた決済手数料を、どちらも別々にたどれる形で記録します。
店内とお持ち帰りの区分は、記録の入口で分ける
カフェは、店内でお召し上がりになる分と、お持ち帰りの分、それにコーヒー豆や焼き菓子といった物販が同じレジを通ります。この区分は、レジのボタンやメニュー登録の段階で分けておきます。
ホームページやLPに載せているメニューの構成と、レジ側の区分の名前は、同じ言葉でそろえます。メニューを入れ替えたときは、レジの区分も同じタイミングで更新します。
レジの区分
店内・お持ち帰り・物販が別々のボタンになっているか
メニュー名
掲載中のメニューの構成とレジの表記が同じ言葉か
スタッフ向けの手順
迷ったときにどちらを押すかを紙で残しているか
入れ替え時
メニューを変えたらレジの区分も同じ日に更新しているか
決済手数料は明細の表記を見て、判断は自分で決めない
国税庁のタックスアンサー「仕入税額控除の対象となるもの」では、消費税の納付税額は、課税期間中の課税売上げに係る消費税額からその課税期間中の課税仕入れ、特定課税仕入れ等に係る消費税額を控除して計算する、と説明されています。また、課税仕入れとは、事業者が、事業として他の者から資産の譲り受けや借り受けを行うこと、または役務の提供を受けることをいい、ただし非課税や免税となる取引、給与等の支払は含まれない、とされています。
差し引かれた決済手数料をどう扱うかは、その取引がこの説明のどこに当てはまるかで決まります。ここは明細の書き方によって見え方が変わるところなので、次の順番で進めます。
- 決済事業者から届く明細を開き、差し引かれた項目の名前と、税に関する表記をそのまま書き出す
- 書き出した表記を、会計ソフトの区分設定と並べて確認する
- どの区分に当てはまるか判断がつかない項目は、自分で決めずに税務署や税理士に確認する
- 確認の結果を、事業者ごとにメモとして残し、翌月からは同じ扱いを繰り返す
適格請求書等保存方式については、国税庁が「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」を公表しています。届いた明細が適格請求書に当たるかどうかも、この資料と照らして確認します。
月の締めと、年をまたぐ分の扱い
レジ締めから確認までの流れを、月の中の作業として置いておきます。
毎日の閉店後
レジの記録を出力し、決済の種類ごとに保存する
月末
その月の売上の記録を、区分ごとにそろえる
明細が届いた日
決済事業者の明細を開き、レジの記録と並べる
月初
売上の記録・未入金分・差し引かれた項目・口座に入った額を見比べる
年末の締め
年内に提供した分で、入金の記録が翌年に回るものがあれば一覧にする
年末の締めでは、どの年の売上として記録したかを台帳に残し、翌年の記録と混ざらないようにしておきます。年をまたぐ分の扱いに迷ったときも、自分で結論を出さず、確認先へ回してください。
レジ、決済事業者の明細、会計ソフトを自動でつないでいる場合も、割り振られた区分をそのままにせず、つないだ時点と期末に目で見て確かめます。メニューやレジの区分を変えたときは、つなぎ方の設定もあわせて確かめる、というところまでを月の手順に入れておきます。