カフェの離乳食持ち込みルールの決め方|市販品のみ受け入れる線引きと伝え方
子連れのお客さまから離乳食の持ち込みを求められたとき、迷わず答えられるように、未開封の市販品に限るなどの店内ルールの決め方と、店頭・メニュー表・ホームページ・LPへの載せ方を手順でまとめました。
子連れのお客さまから「離乳食を持ち込んでもいいですか」と聞かれたとき、迷わず同じ答えを返せる状態になっているでしょうか。カフェでは、店で用意したものと持ち込まれたものが同じテーブルに並びます。どこまで受け入れるかをその場その場の判断にゆだねず、開業前後の落ち着いているうちに、店としてのルールを文章で決めておきましょう。この記事では、決めておく項目と、決めたルールの伝え方を手順でまとめます。
離乳食の持ち込みは「店側で確かめられるか」で線を引く
まず決めるのは、受け入れる範囲です。手作りの離乳食は、調理してからの経過や保存の状態を店側で確かめる手立てがありません。一方、未開封の市販レトルト離乳食であれば、開封されていないことをその場で見て確かめられます。そこで「店側で状態を確かめられるものだけ受け入れる」という基準で線を引き、受け入れる範囲を未開封の市販品のみとし、手作りのものはお断りする、という決め方をおすすめします。
次に、温めの対応をどうするかを決めます。スタッフがお客さまの離乳食を預かって店の器具で温めると、店の器具や食器が持ち込まれた食品に触れることになります。持ち込み品と店の食品との間で交差汚染(器具や手を介して食中毒の原因となる菌がほかの食品に付くこと)を起こさない、という観点から、店の器具をどこまで使うかを先に線引きします。セルフ式の電子レンジを置いてお客さまご自身に使っていただくか、温めの対応自体をお断りするか、どちらかに決めておきます。
あわせて、取り皿やスプーンの貸し出し範囲、空き容器の扱い(お持ち帰りのお願いなど)も決めておきます。決める項目をチェックリストにまとめます。
受け入れる範囲を決める
未開封の市販品のみ・手作りはお断り、など
温めの対応を決める
セルフ式の電子レンジにするか、温め自体をお受けしないか
取り皿・スプーンの貸し出し範囲を決める
店の食器を使う範囲をはっきりさせる
空き容器やゴミの扱いを決める
お持ち帰りのお願いをするかどうか
文面にして店頭・メニュー表・ホームページ・LPに載せる
どこでも同じ文面にする
スタッフの答え方をそろえる
席へのご案内時の声かけの言葉まで決めておく
衛生管理計画とひとつづきで考える
持ち込みルールは、店の衛生管理の一部として位置づけます。小規模な一般飲食店向けには「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」が公開されており、公益社団法人日本食品衛生協会のページでは、その簡易版や初心者向けのリーフレット、食中毒予防の基本をまとめた資料も公開されています。まずはこうした手引書に沿って自店の衛生管理計画を立て、そのなかに持ち込み対応の決めごとも書き加えておきます。
また、厚生労働省は、衛生管理計画や実施記録を入力できる一般飲食店事業者向けのHACCP衛生管理記録アプリを作成しています(スマートフォン・タブレット専用)。ルールを決めて終わりにせず、日々の衛生管理の実施記録とひとつづきで運用していきます。
なお、改正食品衛生法により、新たな営業の許可制度・届出制度が始まっています。許可申請や届出は保健所の窓口のほか、厚生労働省の食品衛生申請等システムによりオンラインでも行えます。開業の手続きで保健所とやり取りする際に、持ち込み対応の考え方について相談しておくのもよいでしょう。
決めたルールは店頭・メニュー表・ホームページ・LPに載せる
ルールは、聞かれてから口頭で説明するのではなく、来店前に読める場所へ文章で載せておきます。店頭の掲示、メニュー表、ホームページ・LPの案内ページに同じ文面を載せ、スタッフの説明もその文面にそろえます。文面の例を挙げます。
離乳食に限り、未開封の市販品のお持ち込みをご利用いただけます。手作りのお食事のお持ち込みは、衛生管理の観点からご遠慮いただいております。あたためにはセルフ式の電子レンジをご用意しています。空き容器はお持ち帰りをお願いいたします。
店内では、ベビーカーのお客さまをお迎えしたら、席へのご案内のときに「離乳食のお持ち込みは未開封の市販品のみお受けしています」とひとこと添える、という声かけの言葉まで決めておきます。
持ち込みの可否をその場の判断にゆだねず、受け入れる範囲・温めの対応・伝え方を先に文章で決めておくこと。それが、子連れのお客さまを気持ちよくお迎えする準備の出発点です。