自宅ネイルサロンの住所は載せる?表示の一部省略とアクセス案内の分け方
自宅でネイルサロンを開く方に向けて、特定商取引法の「表示の一部省略」の考え方を出典に沿って整理し、ホームページに載せる案内と予約確定後に送る案内を分けて書く手順をまとめます。
自宅の一室でネイルサロンを開くとき、決めておきたいのが「ホームページ・LPに自宅の住所をそのまま載せるかどうか」です。この記事では、まず法律上の表示の考え方を消費者庁の特定商取引法ガイドに沿って確認し、そのうえで「誰でも見られるページに書くこと」と「予約が確定したお客さまにだけ伝えること」を分けて書く手順を紹介します。
ネット予約を受けるなら、まず特定商取引法の表示を確認する
消費者庁の特定商取引法ガイドでは、通信販売を「事業者が新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引」と説明しています。対象は商品の販売だけではありません。同ガイドのQ&Aには、通信販売の対象として有償で行う「役務の提供」も含まれると書かれています。
ネイルの施術をホームページやSNSで案内し、予約フォームなどから申込みを受ける形にするなら、自分の受付の流れがこの説明に当てはまるかを、開業前にガイドの本文で確かめておきます。
「表示の一部省略」の考え方
同ガイドには、広告に表示すべき事項をすべて載せることが実態にそぐわない面があるため、次の二つを満たす場合には広告の表示事項を一部省略できる、と書かれています(法第十一条ただし書として紹介されています)。
- 消費者からの請求によって、表示事項を記載した書面(インターネット通信販売では電子メールでもよい)を「遅滞なく」提供することを広告に表示している
- 実際に請求があった場合に「遅滞なく」提供できる措置を講じている
ここでの「遅滞なく」は、取引の実態に即して、申込みの意思決定に先立って十分な時間的余裕をもって提供されることを指す、とされています。Q&Aでは、同じ条件を満たせば事業者の氏名(名称)の表示を省略することも可能だと説明されています。
どの項目を省略できるかは、ガイド本文の表で項目ごとに示されています。自宅住所の扱いを決める前に、この表を自分の目で確認し、判断に迷う点は消費者庁の窓口や専門家に問い合わせてから決めます。
省略するなら、請求への対応手順を先に決める
省略の条件は「広告に書くこと」と「実際に出せる体制」の両方です。ページを公開する前に、次の点を決めておきます。
請求を受け付ける窓口
問い合わせフォームやメールアドレスなど、どこで受けるか
請求があった旨をページに書く文言
「ご請求いただければ電子メールで遅滞なくお知らせします」など
送る内容の下書き
表示事項をまとめたメール文面を事前に用意しておく
返信する担当と時間帯
一人営業なら、施術の合間に確認するタイミングを決める
申込み前に届くか
予約の確定より前に相手の手元に届く流れになっているか
アクセス案内は「公開ページ用」と「予約確定後用」に分ける
住所の表示とは別に、お客さまが迷わず来店できる案内も必要です。誰でも見られるページと、予約が確定した方にだけ送るメッセージで、書く内容を分けます。
公開ページに書くこと
ホームページ・LPのアクセス欄には、番地や建物名を出さずに書ける情報をまとめます。
- 最寄り駅と使う出口の名前
- 駅からの徒歩の所要時間
- 町名までのおおまかなエリア
- 駅から目印(コンビニや交差点など)までの道順
- 近くにコインパーキングがあるかどうか
- 「詳しい場所は予約確定後にお知らせします」という一文
最後の一文は、アクセス欄の末尾に置きます。あわせて、完全予約制であること、同伴者の可否、防犯カメラの有無など、来店前に知っておいてほしい決まりごとを予約フォームの手前に書いておきます。
予約確定後に送ること
予約が確定したら、メールや公式LINEで詳しい案内を送ります。毎回書き起こさずに済むよう、ひな形を作っておきます。
番地・建物名・部屋番号
予約確定のメッセージにだけ記載する
目印からの曲がり角の写真
最後の角から入口までが分かる写真を添える
インターホンの番号と押し方
集合住宅なら部屋番号の呼び出し方も書く
入室の手順
玄関で靴を脱ぐか、荷物をどこに置くかなど
到着が遅れるときの連絡方法
予約時と同じ窓口を案内する
開業前に済ませる順番
最後に、ここまでの作業を開業前の流れに並べます。
ガイドを読む
特定商取引法ガイドで通信販売と表示省略の説明を確認する
表示方針を決める
省略する項目と、請求があったときの対応手順を決める
公開ページを書く
駅・出口・徒歩の所要時間・目印までの道順をまとめる
確定後メッセージを作る
番地・写真・インターホン・入室手順のひな形を用意する
通しで試す
家族や知人に予約から来店までを一度たどってもらう
法律上の表示はガイドで確認して手順を整え、来店のための案内は公開ページと予約確定後のメッセージに分けて書く。この二つを開業前に済ませておきます。